おかあさん
私は母を、恨んでいた。
それはかつて。子供のころ。
4歳で脱毛症になり、小6で急に悪化し中学からウィッグ生活…。
なぜ、普通に産んでくれなかったのか、と。
完全なる逆恨み。そして八つ当たり。
だいぶしつこく恨んでいた。
今思うと、ほんとアホみたい。いや、みたいじゃないな。ただのアホ。
親のせいではないのに、親のせいにして現実を真っ直ぐに見ずに正当化していた。
こんな風になったのは、私のせいじゃない。だから、私は親に八つ当たりしていいんだ、と。
自分で自分が腹立たしくなるが、そう思っていたのは事実だ。
病気になり、苦しんでいるのは自分だけ。
なんて可哀想なワタシ。と、不幸に浸っていた。
だけど、親も苦しんでいた。それを知ったのは、私が子供を産んでから。
子供を産んだら、やっと親の気持ちを察する事が出来た。
「お母さんも、辛かったんだね」
そう、母に言ったら、ぽつぽつ話をしてくれた。
一番最初に地元の皮膚科にかかったら、脱毛は親のせいと言われたこと(私の場合自己免疫性の脱毛症のようなので、原因は不明です。ストレス関係あるかどうかもわかりません)。
先生曰くストレスが原因だと。
周りの人にも、
ストレスなんでしょ?
可愛がってないの?
愛情足りてないんじゃないの?
そんな心ない言葉は、日常茶飯事だったようだ。
果ては、お参りしないから娘が病気になるんだと、信仰宗教の勧誘まで。
全く知らなかった。
初めて知った時は驚いた。父や母もまた、苦しんでいたんだな、と。
母はそんな私を、育てやすかったと言う。
脱毛症の子。育てやすいとは思えないんだけど、病気の苦労は一切カウントしてないらしい。
病気を差し引いて考えても、私は育てやすかったということのようだ。
今、私の子供たちを、目の中に入れても痛くないくらい可愛がってくれている母。
リウマチになり身体の自由が利かなくても、自分にできることをやるための努力を惜しまない母。
趣味や自分の楽しみも少しずつ増やし、続けていける母。
すごいなと、思う。心から。
母は思いやりが強い。
だから、時々裏返って心配性になる。
そのせいでたまに喧嘩もする。
母への感謝は日頃から伝えているつもりだけど、感謝は何度だって伝えた方がいい。
もうすぐ母の日。
プレゼントをして自己満足するのではなくて、心から感謝を伝えたいと思う。
照れ臭いけどね。笑
今週のお題「おかあさん」